皆様こんにちは。税理士の片瀬です。
今日は海外への従業員の出向について、「出国時の課税」という側面からお話しをいたします。まずは簡単な外観をまとめましたので以下ご確認ください。
3/10に海外に出向した従業員がいたとします。当該従業員は給与以外の所得はなく、手続きは会社にすべて任せています。
この場合に、会社はどのように課税関係をまとめるのか。
基本的に、個人に係る税金は「所得税」と「住民税」の2つです。
①所得税については、出国時において「年末調整」が必要
②住民税については、転出届を提出するかの検討が必要
特に②については、「住民票が入ったまま=日本の居住者」と考えている方が多いですが、住民票は居住者判定のための構成要素の1つと考えるべきです。ここは難しい部分なので住民票を残したい方は専門家の意見を仰ぐことが必要です。
①は非居住者に対する源泉徴収(20.42%で税金が取られてしまう・・・)が必要とならないように出国日を調整することが必要となります。賞与の取り扱いには、特に注意が必要となります。※この部分(出国日の具体的な調整方法)は改めて記事にしようと思います。
出向者の海外出向中の税金(及び社会保険、銀行口座など日本に関わるもの)をデザインするのは会社の仕事です。出向者が多く慣れている会社は問題ないと思いますが、これから海外に進出する会社は事前に専門家を交えて対策を考えてみてください。
間違えた絵を描いてしまうと、両国で課税されるリスクも含んでいます。進出国にあわせた慎重な対策が必要です。
【筆者紹介】
代表社員/税理士 片瀬 陽平
税理士業界が変遷する中、国際ビジネスのみが残された最後の領域であると考え、税理士法人時代から国際ビジネスに長く携わる。国際ビジネスには2種類(日本側・現地側が)あり、現地ビジネスに関しては、現地に駐在しなければクライアントにベストプラクティスの提案ができないと考え、2013年にメキシコに渡り、現地会計コンサルティングファームの立ち上げを行う。渡墨後は、日系企業のメキシコ進出サポート及び現地日系企業への経営コンサルティング(事業計画/年度予算作成、内部統制・不正調査、各種DD、連結パッケージ作成など)を主に行っていた。2016年にはアメリカに渡り、Bridge Note (Thailand)Co.,Ltd.(現BM Accounting Co.,Ltd)を立上げ、次いでインドネシアのPT. Bridge Note Indonesiaの移転価格事業部を組成した。また、2018年にアメリカ移転価格税制協力会の発起人としてアメリカ移転価格税制サービスレベルの底上げを行う。専門領域は、経営コンサルティング、インバウンド支援、国際税務コンサルティング、社内DX化など多岐にわたる