皆様こんにちは、JGA税理士法人/税理士の片瀬です。今回のコラムは「戦略メモシリーズ③~KGIとKPI~」です。
上場会社でよく利用されるKGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)という指標。これらの役割は明確に異なります。まずは役割を抑えて体系的な理解をすることが重要です。
役割は時間軸で考えると分かりやすいです。この部分は戦略メモ第1回でも記載した次の時間軸表を再度確認してみましょう!
【時間軸と会社計画の相関関係】
①理念(永続):会社の生きる意味
②長期計画(10年):会社経営サイクル(創業期・成長期・成熟期・衰退期)に合わせた目的
※指標としてはKGIと相関
③中期計画(5年):長期と短期計画をつなぐ連結環
※これを基に指標となるKPIを設定 ⇒ つまりKPIの集合がKGIとなるように表現する
④短期計画(1年):KPIを前提とした行動の集約としての計画
⑤行動指針(1年):KPIを達成するために従業員の行動を設定
KGIは最重要経営指標ではありますが、目的の側面が強いため単独では機能しません。単独で機能し、従業員の行動管理を行うものは(目的達成のための手段となる)KPIです。
<戦略メモ>
★KGI
KGIは、財務上の指標(例えば粗利益率など)を設定するが、これは単なる財務指標ではなく、「策定した戦略」からブレイクダウンし、かつ、KPI設定からボトムアップしてと、双方向から確認する必要がある。これは長期的なゴールを表す。
★KPI
KPIは、KGIの達成のための指標であり、具体的な「行動計画との相関関係が強い」。これは長期的なゴールを達成するための過程(行動)を表す。
上場会社で「KPI、KPI、KPI」とKPIを連呼しているのは、KGIは目的の側面が強く、KPIが手段の側面が強いからに他なりません。みなさまもKPIの設定に注力するといろいろと見えてくるものがあるかと思います。
次回は、「KGIとKPIの設定のヒントとなる財務指標とは何か?」に迫ります。これらを設定するための財務指標をどのように抽出するかを理解した上で、再びKGIとKPIの具体的設定に戻っていますので、少々お待ちください。では、次回もお楽しみに!
【次回予告】
戦略メモシリーズ④~意義のある財務指標とは~
お楽しみに!
【まとめ】